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馬主とは、広義ではウマ(馬)を所有する人を指す。
馬主として活動するためには各競馬主催者による馬主登録が必要である。また、中央競馬・地方競馬、両方に競走馬を所有している馬主も少なからず存在する。

日本では競走馬がレースで8着以内に入れば賞金を獲得するが、その賞金の10%が調教師、騎乗した騎手と厩務員に5%ずつがそれぞれ進上金として配分され、残りの80%が馬主の収入となる。また、自ら所有することを目的として競走馬の生産を行う生産者のことを「オーナーブリーダー」という。

日本における愛馬会法人や競走馬生産牧場など別途規定が設けられているものもあるが、基本的に馬主として登録し活動するためには基本的に一定規模の資産と年収が必要であり、馬主になるにあたっては審査に合格しなければならず、また実際に経費面を考えれば一定の剰余資産が無ければ馬主業は安定して務まらない。そのため、特に個人馬主においては馬主であるということが一種の社会的なステータスとしての意味を持つことも珍しくない。

他方、いわゆる一口馬主は、愛馬会法人に出資して出資比率に応じた経済的負担を負い、その出資した競走馬の獲得した賞金に応じて分配を受ける関係というだけであって、正確には馬主ではない。

馬主協会

馬主協会とは、函館・札幌・新潟・福島・中山・東京・中京・京都・阪神・九州の10か所分かれている馬主組織で、各競馬場内にその事務所を置いている。

大半の馬主はいずれかの馬主協会に所属しているが、2つの協会に所属している馬主や無所属の馬主も少なからずいる。協会では馬主の親睦のほか寄付などの福祉活動も行っている。また、各馬主協会の統括組織として日本馬主協会連合会(JOA)がある。最近はJOAチャリティーオークションを競馬場にて主催し福祉関係にその売上金を寄付している。

馬主席

馬主席は馬主協会を通じて申し込むため、全国のいずれかの馬主協会に所属していなければ席の確保が難しい。また、割り当て席数の都合上所属協会と競馬場は同一、もしくは同地域(東京と中山、京都と阪神など)でなければさらに難しくなる(例:函館所属の馬主が阪神競馬場の馬主席を利用することなど)。また、共有馬のみの馬主に対しても馬主協会によっては難しい場合がある。

G1競走に所有馬が出走している場合は、専用の「出走馬主室」で入ることができる(馬主本人と関係者2名まで入室可)。

馬主以外の人(いわゆる一口馬主の出資者を含む)が馬主席に入るには、馬主の紹介以外に方法は無い(特例で懸賞企画などで馬主席に入る権利を得られる場合はある[3])。

なお馬主席への入場に当たっては男女ともドレスコードが設定され、正装が義務付けられている。洋装の場合、男性は少なくともジャケットまたはスーツ(背広)・ネクタイ・革靴を着用していなければならず、スニーカーやジーンズなどのカジュアルな服装では基本的に入場(席章・通行章の発行)が拒否される。

口取り

所有馬がレースに優勝した時には、ウイナーズサークルにて行われる表彰式で口取りができる。GI競走の際には芝コース上で行われる。

馬主以外にもその家族や知人、生産牧場関係者も多数参加する。一口馬主の出資者については各クラブによって異なるが、出資人数が多数であるため、参加人数を制限している。
馬主登録数

2009年3月末の時点で2346(個人1997 法人308 組合41)。

1991年には3000を超える登録数があったがその後の景気の低迷とともに減少傾向にある。

馬主登録数

2009年3月末の時点で2346(個人1997 法人308 組合41)。

1991年には3000を超える登録数があったがその後の景気の低迷とともに減少傾向にある。


個人馬主の審査基準(2013年以降は要件が緩和される)

年間所得額が2年連続1800万円以上→2013年からは1700万円以上
資産額が9000万円以上→2013年からは7500万円以上

軽種馬生産個人馬主の審査基準

年間所得額が2年連続1100万円以上、資産額は問わない
牧場規模15ha以上(うち自己所有7.5ha以上)

(北海道以外の地区は牧場規模要件は半減)

自己所有繁殖牝馬6頭以上
2年以上の軽種馬生産実績と生産馬売却実績

本邦外居住者個人馬主の審査基準(2009年秋導入)

年間所得額が2年連続1800万円以上→2013年からは1700万円以上
資産額が9000万円以上→2013年からは7500万円以上
海外において馬主として1年以上活動実績のあること
馬主に係る事務を代行するため、国内に居住する「連絡責任者」を置くことができる者

法人馬主の審査基準

法人については資本金1000万円以上で代表者が50%以上出資し、過去2年黒字決算
法人代表者については年間所得額が2年連続1700万円以上で資産額が7500万円以上
代表者が個人馬主資格を有していること(この個人馬主資格は後に抹消される)

組合馬主の審査基準

組合員各々の年間所得が300万円以上
組合名義の定期預金が300万円以上
3名以上10名以下で民法667条で規定された「組合契約」を組合員間で交わしていること
これらの要件はあくまで目安で、これら以外の要件もある

共有

2名以上20名以下で、個人馬主と法人馬主が混在してもよい。共有持分は1名5%以上で1%単位、最も高い比率を持つ馬主が共有代表馬主となる。

組合はそれ自体が共有であるため、組合員の中に個人馬主・法人馬主・他組合馬主の組合員を含めることができない。各組合員の共有持分は1名10%以上50%未満で1%単位、最も高い比率を持つ組合員が組合代表となる。
勝負服

勝負服は騎手毎に設定されるため、馬主の勝負服は存在しない(ダートグレード競走やホッカイドウ競馬の一部競走を除く)。
馬主登録数
2006年5月末の時点で6287(個人5885、法人382、組合20)。

一口馬主

一口馬主(ひとくちうまぬし、ひとくちばぬし)とは、日本において、競走馬に対し小口に分割された持分を通じて出資をする者のことである。匿名組合契約が利用されており、金融商品取引法(かつては商品ファンド法)によって規制を受ける。「クラブ馬主」「一口クラブ」ともいう。

馬主登録されていない者が競走馬に投資することで間接的に馬主となるシステムである。

日本全国で約5万人ほどが参加している。

概要

一口馬主のクラブは、愛馬会法人とクラブ法人(馬主)の2つの法人によって成り立っている[2]。クラブ法人と愛馬会法人は金融庁と農林水産省による商品投資販売業者の許可番号を持っているが、前者は馬主資格を有しない。一口馬主になりたい者は愛馬会法人の会員となって同法人に出資(匿名組合契約)し、愛馬会は出資金を用いて取得した競走馬をクラブ法人に現物出資する[2]。クラブ法人は、現物出資された競走馬をレースに出走させ、獲得した賞金を愛馬会法人に配当する。愛馬会法人は、さらに配当を会員に分配する[2]。出資は愛馬会法人が事前に取得した競走馬ごとに行われ、会員は自らが出資した競走馬の獲得した賞金に応じて損益分配を受ける。

基本的に1頭の馬を40 - 500口程度に分割して出資を募る。馬の値段は中央競馬の場合1000万円以上になることが通常であるので、1口あたり数万〜100万円程度となる。出資者は馬代金のほかに、クラブの入会費用(入会時)、月会費、厩舎や牧場における経費、保険料、海外遠征の費用などを負担する。

基本的に元本保証は無い。ただし会員が出資した馬が早い段階(概ね2歳を迎える前)で死亡するか競走能力を喪失したと診断された場合には、出資金を全額返還するという規約を設ける例も見られる。かつては出資した馬が一度も出走できなかった、あるいは出走したが一度も勝てずに引退した場合に適用される「補償制度」も存在したが、金融庁の指導を受け、2011年度の募集から一斉に廃止となった。

なお、一口馬主の会員は馬主ではないため、競馬場の馬主席への入場、トレーニングセンターや厩舎への訪問、引退の決定など、馬主の持つ権利は有しない。ただし、2004年より1クラブ5人まで口取りの写真に参加することが許されるようになり、現在は重賞競走で最大20人まで、その他の競走で最大10人まで口取りの写真に参加できる(ただし、クラブにより異なる)。

一口馬主のシステムに対して、馬主の利益団体である日本馬主協会連合会は同会が発行した『日本馬主連合会30年史』において、名義貸しを商品ファンド法で誤魔化したに過ぎないと非難している。しかし、日本中央競馬会は1995年に「一口馬主は名義貸しにはあたらない」とする見解を発表している。

歴史

かつては共同馬主で馬を所有することがあったが、1971年に競馬法で名義貸しの禁止が明文化されると、いくつかの共同馬主が解散を余儀なくされた[8]。しかしこれに対して1975年、共有馬クラブのひとつであった友駿ホースクラブが商法535条から542条に規定する匿名組合をクラブに適用することを考案し、内閣法制局と農林省に報告することにより共有馬クラブとして認可された。これ以降、同様の方式を取って撤退していた共有馬クラブも再登録を行うようになり、1988年ころから起きた競馬ブームに一役買うこととなった。

2007年時点で一口馬主のクラブの数は最大20に固定されており、既存クラブの解散や譲渡がない限り、新規参入はできない状況にあったが、2010年に社台グループの協力を受けたG1サラブレッドクラブが新規参入を果たし[8]、その後も岡田スタッド系列のノルマンディーサラブレッドクラブが参入した。

近年は一口馬主クラブ(クラブ法人)が馬主リーディングの上位を多く占めることがあり、2013年の中央競馬馬主リーディングにおいては上位4位までを一口馬主クラブが占めている。

課税問題

現在一口馬主のシステムは、前述の通り商法上の匿名組合を二重に経由することで実現されている。しかし税務上の処理は一般的な匿名組合のものと異なる処理が行われており、その結果
JRAが支払った賞金のうち、一般的な個人馬主の場合の源泉徴収分の税金(実効8%)及び、一口馬主クラブの手数料を引いた分が出資者に支払われる。
本来なら匿名組合の源泉徴収率は20%であり、一口馬主では匿名組合を二重に経由していることから、一部では「手数料等を差し引いた出資者への配当はJRAが支払った額の6割程度になる」と言われたが、実際には元本の払い戻し部分には当然源泉課税されることはなく、また2段階の1段目は従来源泉徴収義務のなかった出資者が少数の場合の匿名組合契約でもあり、実際の配当がどうなるかは現段階では不明である。
JRAからクラブ法人へ支払われる賞金に対する源泉徴収分の税金について、最終的に配当を受けた出資者が個別に還付申告を行うことができる。

このような匿名組合のパススルー会計については長く一般的に認められてきたものの、比較的最近になって国税当局がそれを否認する立場を明確化した。クラブ法人に賞金が支払われた時点で関係が切断されると考えられるため、今後はクラブ法人が支払った税金を出資者が還付申告することは認められなくなると推測される。上述の匿名組合にかかわる源泉税が導入された場合は、出資者による還付申告の対象となる。

複数の馬に出資している場合、個々の馬に関する収入及び費用、損失について損益通算を行うことができる。

上述のパススルー会計が認められない場合、馬ごとに個別にファンドが形成され各ファンドの損失はファンドの終了により確定されるという考え方のため、馬が引退した場合に限り当該馬に係わる損失を他馬ファンドなど他の雑所得と損益通算を行うことができる。

このような匿名組合のパススルー会計については長く一般的に認められてきたものの、比較的最近になって国税当局がそれを否認する立場を明確化した。クラブ法人に賞金が支払われた時点で関係が切断されると考えられるため、今後はクラブ法人が支払った税金を出資者が還付申告することは認められなくなると推測される。上述の匿名組合にかかわる源泉税が導入された場合は、出資者による還付申告の対象となる。

複数の馬に出資している場合、個々の馬に関する収入及び費用、損失について損益通算を行うことができる。

上述のパススルー会計が認められない場合、馬ごとに個別にファンドが形成され各ファンドの損失はファンドの終了により確定されるという考え方のため、馬が引退した場合に限り当該馬に係わる損失を他馬ファンドなど他の雑所得と損益通算を行うことができる。

これに対し2006年に国税庁が「クラブ法人・愛馬会法人も匿名組合にかかわる法令や通達に沿う形で税務処理を行うようにすべき」との方針を打ち出したことから、社台グループなど一部の愛馬会では「JRAは匿名組合ではなく任意組合形式での一口馬主の運営を認めるべき」との主張を行うようになった(任意組合であれば前記のような税務処理(いわゆるパススルー会計)も認められるため)。しかしJRAは「一口馬主として任意組合形式を認めることは、実質的な名義貸しにつながるため認められない」との方針を一貫して保持しており、匿名組合として今後税務処理をどのような形で行うかも含めて、2007年現在もJRAとクラブ法人の間で協議が続けられている。

種類

2014年現在、日本には20の一口馬主クラブが存在し、募集馬の取得方法や口数、募集時期などが多様化している。

募集馬の提供方法

生産牧場が母体となって運営されているクラブでは、その生産牧場及び参加牧場で生産・育成された馬が募集馬として提供される。近年では生産馬だけではなく、セリ市などで取得した馬なども提供される。

生産牧場が母体ではないクラブでは、セリ市や庭先取引で取得した馬を提供する。

口数

クラブごとに募集口数でも大小の違いがあり、例えば総額1000万円の馬で40口募集なら1口25万円だが、500口募集なら1口2万円で出資が可能となる。

募集口数の大小が配当や月額費用の配分比率に直接反映されるため、少口募集であるほどハイリスク・ハイリターン、多口募集であるほどローリスク・ローリターンとなる。それまで少口募集が主流だった1990年代後半から多口募集のクラブが増え、会員の収入や嗜好性に応じてクラブの選択が可能となった。

  • 最終更新:2017-05-18 13:51:26

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